両親からの虐待の影響で数十年苦しんできた方のヒプノセラピーセッション

(Aさん50代男性のケース:年齢退行療法)

両親の精神的虐待、肉体的暴力の影響でたくさん苦しんできた、という方からセッションの問い合わせをいただきました。
数十年にわたり、ご自身で様々な学びや癒しをされてきたそうですが、全く良くならず万策尽きたと言われます。

現在は特に。30年以上騒音に悩まされている、仕事で必ずトラブルが起る、転職してもほぼブラック企業である、何かしようとすると必ず失敗する邪魔が入る、などの現象があり、これらをヒプノセラピーで解消したいとの相談です。

他にも数多くの悩みを持たれており、その原因が幼少期のトラウマなのか、前世なのか、もしくは死霊生霊(念)なども関係しているのか、複雑な問題ばかりでどこに根本的原因があるのか特定できずにいるとのことです。

ヒプノセラピーは、催眠状態で根本的な原因を探り当て、そのトラウマをご自身の中で解決することで、様々な問題も一気に改善へ向かうことがあり得ることをご説明し、後日、セッションに来られることになりました。

目次

事前カウンセリングで悩みの本質を確認

ヒプノセラピーのセッション当日は、まずAさんが解決したいことを整理していきました。

すると、事前に相談いただいた解消したい課題とともに、「虐待によるトラウマ、もしくは胎児や前世のトラウマがあるかも知れない」「いつも過酷な人生になってしまう」「対人恐怖症と人前に出ると強いパニック症状がでる」「自身の中に怒り狂っている存在と恐れている存在がいる」「いつもお金に困る」「不眠」「魂が本当にやりたいことがわからない」など多岐にわたるお悩みを抱えていることがわかりました。

そして、人生を語っていただきました。生い立ち、家庭環境、虐待の状況、家を出てからの生活、若い頃にやりたこったこと、挫折したこと、これまでの人生で培われたご自身の価値観など、現在につながる糸をたどり、セッションの方向性を確認していきます。

また、ヒプノセラピーは20年前に受けたことがあり、ほかにもカウンセリングや認知療法からNLP、チャネリングや占いまで、あらゆることを試したが改善しなかったと言われます。20年前のヒプノセラピーと比べ現在では大きく進化していること、同時にヒプノセラピーは催眠状態の特性を利用して潜在意識に直接アプローチすることで、これまで受けてきたことは違いご自身の中で解決策を見出すことが期待できることを説明し、納得いただいてセッションに進みました。

催眠状態でトラウマの根本原因を解消する

今回のセッションは「年齢退行療法」を主にしたセラピーになります。
催眠状態に誘導し、イメージの中でいつでも戻れる安心安全な場所を確保した後、様々な問題の根本原因となっている場面に入っていきます。多くの問題をかかえていても、そのきっかけとなってしまう心的な根本原因は一つに集約されることがよくあります。

今回は、幼稚園のときの家庭の場面がでてきました。

ヒプノセラピーで催眠状態になると、まるで本当にその場面の自分に戻ったかのようになり、リアルに再体験している状況になることが多いです。また、不思議な現象ですが、その時の相手に入って本当の気持ちを確認することができます。

子供のAさんは、目の前にいる(当時の)父親に本当は言いたかったことを伝えます。すると父親は「自分も両親から同じように暴力を振るわれて育った」ことや「戦後からの貧乏な生活が子供にあたる原因の一つであったこと」などを話しだしました(すべてAさんの口から出た言葉です)。そして、つらい気持ちを引きずっているAさんに「悪かった」と謝りました。

事前に「両親は非常に私を憎んでいる可能性もある」と語っていたAさんの言葉とは全く違った答えが返ってきたのです。

次に、母親にはいると、「手一杯で面倒が見られなかった」「父親が影響してかまってあげられない」「家の経済事情があった」などを語りだし、「本当は面倒を見たかったが、いろいろな事情があってできなかった」のが本心だと言います。

そこで、もし余裕があったらなにをしてあげたいかを尋ねたところ、「一緒にスーパーに買い物に行きたい」と言います。

それを子供のAさんに聞くと「うれしい」言って、「一緒に写真も撮りたい」と希望しました。

そこで、スーパーに一緒に買い物に行っているシーンを再現して、次に家族と写真を撮る場面を体験してもらいました。そして、嬉しい感情一緒に撮影した写真を心の記憶として刻み込みました。

両親の本当の気持ちをご自身で確認し、虐待のトラウマに対する認知が変化して楽になる結果となりました。

癒された結果をもとに将来の良くなった自分をイメージ

その後、現在の自分に戻って、幼少期のトラウマに対する認知が変化して癒されたことで、この先どう良くなっているのかをイメージで確認してもらいました。

すると、最初に話されていた騒音に悩まされていることに対する自分なりの認知も変化して楽な感覚を感じ、仕事にも前向きになっている将来の自分像をリアルにイメージされました。

これでセッションは終了です。

ヒプノセラピーのご感想

セッションから数日後にいただいたAさんからの感想の言葉をご紹介します。

「まだ上手くは言えませんが、セッション前と今とは心持ちが違っている感じです。」
「翌日には何かしらの氣づきがあるのが嬉しいです。」
「相手の立場になり感じることは非常に有益でした。単なるイメージではなく体験している感覚がありました。」
「トラウマの解消には、やはり潜在意識へのアプローチが非常に重要だと感じました。」
「原因不明の身体からの痛みは心(感情)の不健康なのだと改めて気づきました。」
「私にとってはこれぞヒプノセラピーと言えるセッションを受けることができたと感じています。初めて受けた時は20数年ほど前。そのころの日本ではまだ催眠というものを癒しの方法としてあまり認知されていなかった様に思います。」

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