脳科学に基づくヒプノセラピー

潜在意識と顕在意識

人の意識は、潜在意識が90%を占めていて顕在意識はわずか10%ほどだとよくいわれます。この概念は、19世紀の終わりころにフロイトが「意識」「無意識」を提唱したことに始まります。
「意識(=顕在意識)」は理性・知性・論理的な思考をつかさどっていて、「無意識(=潜在意識)」は感性・感情・感覚・記憶・想像力をつかさどるとされています。
催眠状態は、心理学的にはこの顕在意識(理性)が弱まり潜在意識(感性)とつながって、記憶や感情が出てきやすい状態になることとされています。潜在意識が表面に出てくることで、奥底にある記憶に触れ、必要な気づきや癒しが得られたり、自然治癒力を引き出したりする考えです。
実際には脳の中に顕在意識や潜在意識をつかさどる場所は特定できていません。この考えはあくまでも心理学的な概念であり、実際の脳の活動というよりは心的現象ととらえることができます。

催眠で記憶がつながりやすい状態に

では、催眠状態で脳はどのような動きをしているのでしょうか。
ひとつのヒントが「デフォルトモードネットワーク」という脳状態にあります。この状態は散歩や入浴中、睡眠前後などボーっとしているときにおこりやすく、自分では何も考えていなくても、脳の中では広い範囲が活性化して、いろいろな脳部位とつながりやすい状態になっています。
催眠状態の脳は、このデフォルトモードネットワークに近い状態になっていると考えられます。マインドフルネスもこれに似た脳状態になっているといわれています。いろいろな脳部位とつながりやすいので、奥底にある記憶とつながって思い起こしたり、普段つながらない場所どおしがつながって新しい発見やヒントが出てくるのです。

記憶が変化することで癒されます

ヒプノセラピーは主に「記憶」を扱う療法です。
過去の辛い記憶を癒すことでトラウマを解消する、暗示やイメージワークで新たな肯定的な記憶を植え込む、直したい習慣や癖の記憶を取り去るなど、過去の記憶を変化させたり、新たな記憶をインプットすることで、癒されたり前向きになります。前世療法もはるか昔の前世の記憶を扱っているといえるかもしれません。
その「記憶」について、脳科学で近年明らかになったことが「記憶を思い出すと一時的にその記憶が不安定になり上書き修正されたり徐々に消去されたりする」という現象です。
例えば、「若い頃の辛かった失恋体験が今ではいい思い出になっている」とか「嫌だった出来事も時間が経つにつれて気にならなくなった。時が解決してくれた」などといった経験はありませんか。これは、記憶を思い出しながら自分で自分を楽にする方向に記憶の認知を変化させた結果です。
しかし、自分だけでは楽な方向に変化できない記憶もあります。思い起こすことが辛く封印している記憶(出来事)、記憶とうまく結びつかないで判然と生きづらさを感じる感情、思い起こすたびに逆に辛い感情を強化してしまうような記憶。ヒプノセラピーでは、催眠状態の中でこうした辛い記憶を思い起こし、自分にとって楽になる認知にご自身で修正していくお手伝いをしていきます。

近年の脳科学でわかってきた脳活動や記憶の仕組みを理解し、セッションの中で応用することで、私たちは癒し効果の高いセラピーのご提供を可能にしています。

(脳科学で分かった記憶の固定化の仕組み)

NEXT PAGE