ヒプノセラピーを受ける前に、資格を持っているヒプノセラピストかを目安にされる方も多いでしょう。
また、「ヒプノセラピーを学びたい」という方にとっても、どんな資格が取れるスクールか気になるところです。
最初はヒプノセラピーの資格がどの程度信頼できるのか、何を学べるのか、セラピストを選ぶ基準になるのか、などの判断はつかないかもしれません。
そこでここでは、ヒプノセラピーの資格について詳しくご紹介するとともに、ヒプノセラピーを受けたい方、ヒプノセラピーを学んで資格を取りたい方にとって参考となる情報をお伝えします。
ヒプノセラピーの資格とは
ヒプノセラピーの資格のほとんどは、民間のヒプノセラピスト団体が発行しています。
各団体が規定するヒプノセラピーの講座を学び、修了することで認定証が授与され、資格を持ったヒプノセラピストになれます。
講座の内容や受講にかかる時間、料金は団体によってそれぞれですが、しっかりとした団体のカリキュラムであれば催眠の基本的な知識を得て、ヒプノセラピー(催眠療法)を行う一定の技術を身に着けることがでるでしょう。
ただし、講座を受講さえすればヒプノセラピストの資格が取れてしまうので、資格を持っているから優秀なヒプノセラピストだとは限りません。また、資格を取れば優秀なヒプノセラピストになれるわけでもありません。
基礎的な講座だけならば2~3日程度、あるいはもっと短時間でヒプノセラピストの資格を取ることができてしまいます。
ヒプノセラピーを仕事で生かしたい、自己研鑽に役立てたい、心理にかかわる知識を広げたい、という方には、基礎的な講座を学び、資格を得ることは有用です。しかし、クライアントからの信頼を得て活躍するプロのヒプノセラピストになるには、さらに専門的な講座を受けたり、独自で勉強を進めたり、練習や実践を重ねていかなければなりません。
日本には公認心理師という国家資格や、臨床心理士という心の問題に取り組む心理専門職の資格などもあります。しかし、日本で催眠や催眠療法を教えている大学や専門学校は、ごく一部を除きほとんどありません。
心理専門職の資格を持っていても、それだけではヒプノセラピストになれないのです。
日本では、ヒプノセラピー・催眠療法を教えている民間のヒプノセラピスト団体で学び、資格を受けることが最低限必要になります。
欧米のヒプノセラピストの資格について
欧米では、催眠療法を教えている大学があります。そしてヒプノセラピーを治療の一環として活用している医師や心理専門職もいます。
一方で、民間の催眠士団体も数多くあり、それぞれヒプノセラピーの資格を発行しています。
米国の民間の催眠士(ヒプノセラピスト)団体には、日本で資格が取得できるものがいくつかあります。
中でもNGH(米国催眠士協会、National Guild of Hypnotists)は、70年以上の歴史を持ち、1万人を超える会員を擁する世界最大規模の催眠士の非営利団体です。
NGH に次ぐ規模といわれる営利団体のABH(米国催眠療法協会、American board of hypnotherapy)は、20年以上前から日本でヒプノセラピストの資格を発行しています。
これらの米国の催眠団体の特徴のひとつに、講座の内容が催眠と暗示療法、イメージ療法などが中心で、心理を扱う年齢退行療法や前世療法などは米国本国で公式には扱っていないことがあります。
その理由は、米国では州法などにより、トラウマなど心に関わるものは医師や資格を持った心理専門職の分野と定められていて、民間のヒプノセラピスト(ヒプノカウンセラー/ヒプノティスト)は扱えないからです。
米国で民間の催眠士団体の資格を持ったヒプノセラピストが行っているのは、催眠を使った自己啓発やダイエット、禁煙、癖の修正などが中心となっています。
米国の催眠士団体のカリキュラムは、こうした米国の事情に即した内容であり、伝統的な催眠療法が中心でテキストが十年以上変わっていない部分も多いです。
日本でヒプノセラピストとして活動するには、米国の催眠士団体の資格だけでは十分ではないかも知れません。
日本でNGHやABHなどの米国の催眠士団体の資格講座を行う際は、日本人のインストラクターが前世療法や年齢退行療法のエッセンスを加えて教えることがあります。
日本のヒプノセラピストの資格について
日本で取得できるヒプノセラピストの民間の資格は、主に以下のようなに分類できます。
1)日本で独自のカリキュラムをもとにして資格を発行している民間団体、スクール
2)米国などの催眠士団体のカリキュラムとともに、日本独自の内容を加えて日米両方の資格が取得できる民間団体、スクール
3)米国などの催眠士団体のカリキュラムをもとにして、米国の催眠士団体の資格が取得できるスクール
1)の代表的な団体が一般社団法人日本臨床ヒプノセラピスト協会(JBCH)です。延べ1,000名以上の会員を有する国内最大級のヒプノセラピスト団体で、ホリスティックアイのヒプノセラピストはJBCHの資格を持ち、会員活動にも積極的に参画しています。
JBCHの特徴は、
・日本のヒプノセラピストの現状に即した講座
・催眠の基礎から、プロとして活躍するための専門講座まで、充実した内容
・最新の脳科学も交え、理論的にも優れた内容のカリキュラム
・資格取得者(会員)への情報支援、技術支援が充実
・ヒプノセラピーを生業とする会員の法務・税務・保険分野等におけるサポート
ヒプノセラピストのプロフィールにJBCHの資格を取得していること、さらに年齢退行療法、前世療法、悲嘆療法などのJBCH認定プロフェッショナルコースを修了していることが書かれていれば、ヒプノセラピストを選ぶうえでの一つの判断材料になるでしょう。
催眠関連の学会と資格について
日本では、日本学術会議に登録された公的な催眠関連の学会として、以下の3団体があります。
・日本催眠学会
・日本催眠医学心理学会
・日本臨床催眠学会
※上記以外で名称に“学会”の名があるものは民間団体です。
これらの学会で資格認定制度を設けているところもありますが、主に医療従事者向けで、一般的なヒプノセラピストで資格を有している人は少ないようです。
上記の公的な学会の会員となっているヒプノセラピストもいます。学会活動を通じて催眠療法の情報収集や研究など進めていることにもなりますので、参考になるでしょう。
まとめ
ヒプノセラピーの資格について、その種類や現状をご紹介させていただきました。
資格を発行している団体によって、学べる内容が変わること、プロのヒプノセラピストに必要な学びの要件についてもご理解いただけたでしょうか。
ここでご紹介した通り、資格を持っているから優秀なヒプノセラピストであるとは限りません。
資格はあくまでも目安であって、「どの程度学んだのか」「米国の催眠士団体では教えていない心理を扱うための知識や技法も学んでいるか」「実績を積んでいるか」なども判断材料として重要です。
ヒプノセラピーを学ぶ際も、どの資格が取得できるかに加えて、「その講座で何が身につくのか」「日本に見合った内容なのか」「実践に即した最新の理論や技術が学べるか」など、講座の内容や講師の実力をしっかり確認することをお薦めします。
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