ヒプノセラピーに危険性はある?

ヒプノセラピーに危険性はある?

インターネットではヒプノセラピーが「危険」「怪しい」といった情報や、「失敗した」「催眠に入れなかった」など意見も見受けられます。
ヒプノセラピーは、医学的にも学術的にもその効果が認められている心理療法ですが、本当に危険性があるのでしょうか。
そこで、ヒプノセラピーにはどのような危険性があるのか、リスクを避け安全なヒプノセラピーを受けるためのポイントについてまとめました。

目次

ヒプノセラピーについて

ヒプノセラピーは「催眠状態の特性を利用して行うあらゆる心理療法」のことで、日本語では催眠療法となります。

人は催眠状態に入ると、心がオープンになり暗示を受け入れやすい、記憶力が上がって記憶を思い起こしたり新たな記憶を埋め込んだりしやすくなる、理性が弱まり感性優位になる、潜在意識にアプローチしやすくなる、などの特性を持っています。

ヒプノセラピーでは、人為的に催眠状態を作り出し、この特性を利用して様々な心理療法を行います。代表的な療法として、以下のようなものがあります。

・暗示療法
・イメージ療法
・年齢退行療法、インナーチャイルド療法、胎児期退行療法
・ソマティックセラピー
・前世療法、悲嘆療法

その方がもつテーマにとって最適な療法を用いてセッションを行うことで、大きな効果が期待できます。


医学的、学術的にも認められた療法

ヒプノセラピーは、英国医師会や米国医師会、米国心理学会などが催眠を有効な治療法として認めています。
日本でも心身医学療法として医師の診療に限り催眠療法の保険適用ができます(時間がかかる、保険点数が低いなどの理由で催眠療法を扱う医療機関は限られています)。また、日本学術会議に指定された催眠関連の学会も存在します。

最近では、ウクライナで戦争により負傷した兵士や住民の治療後のこころのケアにも催眠療法が実践されています(国際催眠学会での発表「トラウマ後の癒しへの道」より)。

ヒプノセラピーに潜在する危険性とは

これまで述べてきた通り、ヒプノセラピー自体は安全、安心な療法として世界中で活用されています。

日本でも正しい知識や技術を身に着け、倫理観をもって施術を行っているヒプノセラピストから、安全なヒプノセラピーを受けることができます。

しかし残念ながら、技量が不十分なセラピストからセッションを受けると、思わぬ事態になる可能性も否めません。

その場合に考えられる危険性についてご紹介します。

1)過去のトラウマが表出して余計苦しくなる

ヒプノセラピーはトラウマの解消や軽減にとても有用な方法ですが、セッション中に過去の記憶を思い起こし、向き合うことが必要になります。

セッションでは、思い起こした記憶を自分にとって楽なものになるよう、ご自身で認知を変化させて記憶を上書きしていきます。これでほとんどの方が癒され、安全にトラウマの解消・軽減に向かうことができるのです。

しかし、トラウマ記憶を思い起こした際に、セラピストがその記憶を放置したり処理を誤ったりすると、余計苦しくなってしまうことがあります。

十分な知識と技量を持ったセラピストであれば、そのようなことはまず起こりませんが、技量不足のセラピストが招く危険性があるのは事実であり、その点には十分に注意が必要です。

2)依存してしまう

ヒプノセラピー自体に依存性はありません。また、多くのケースが1度のセッションで済みます。

しかし、セラピストから「まだ十分ではないのであと〇回通ってください」と言われたらどうですか?

「先生がそう言うなら」と受け入れて通うことになり、ヒプノセラピーではなくセラピストへの依存につながってしまうかもしれません。

特に依存傾向が強い人や、先生の意見を受け入れやすい人などは、のめり込んでしまう可能性があるので注意が必要です。

3)マインドコントロールをされてしまう

人は元来、いろいろな場面から入ってくる情報に影響を受け、気持ちを変化させています。

映画やドラマを見て感動し共感を持った、感銘を受けた一言で人生が変わった、親から言われた言葉が大人になっても影響をうけている、などといった事象もマインドコントロールと仕組みは同じです。

ヒプノセラピーにおいても、催眠状態で心がオープンになって暗示を受け入れやすい状態で、セラピストがかけた言葉は大きな影響を与えることがあります。その結果、マインドコントロールをされたと感じてしまうかもしれません。

また、未熟なセラピストが語る言葉によって、望まない暗示や偽の記憶が埋め込まれてしまう危険性があります。

それを理解しているセラピストは、「教えない」「与えない」を徹底し、クライアントご自身で気づきを得る“何も足さない、何も引かない”セラピーを心掛けています。

セラピーを受ける際には、このことを留意されて余計な影響を受けないよう気を付けることが大切です。

4)費用が高額になってしまう

ヒプノセラピーの費用は、1回あたり3時間前後で2~5万円程度が一般的です。都心と比べ地方は費用が安い傾向にあります。

しかし中には10~20万円以上の料金を請求するセラピストも存在しています。何か特別なことを行うとか、秘策を提供するといって高額な料金設定をしているセラピストも見受けられますが、正当なヒプノセラピーにそのような特別なものは存在しません。

また、1回の料金は高くなくても、何回も通うようなシステムだと金額が積み重なり、通う時間もかかってしまいます。

カウンセリングは一般的に一週間に1回、50分程度を何回か行うのが効果的出るといわれていますが、ヒプノセラピーは、約3時間のセッションを1回行うだけで問題解消につながる場合がほとんどです。

ヒプノセラピーを受ける前には、料金はもちろんのこと、継続して通うことになるかどうかを見極め、もきちんと判断しなければなりません。

安全なヒプノセラピーを受けるために

何故、ヒプノセラピーは「危険」とか「怪しい」といったことが出てくるのでしょうか。

それは、“催眠療法”と“催眠術”が混在していて、マジックのようにとらえてしまい、人の心を癒す“療法”としての認知と理解がまだ高くはないことがあるでしょう。

また催眠をまるで魔法のようなものと取り違えて、怪しい分野で利用しようとする人がいることも影響しているかもしれません。

しかし、繰り返しになりますが、

ヒプノセラピーは、学術的にも認められた安全・安心な心理療法です。

確かな技量で行うヒプノセラピー(催眠療法)は、ご自身の問題解決に大きな効果が期待できます。安心・安全なヒプノセラピーを受けるために、以下のようなことをチェックされるとよいでしょう。

1)カウンセリングの時間をしっかりとっているか

ヒプノセラピーでは、しっかりとしたカウンセリングがとても重要です。クライアントさんの心持ちを十分理解し、置かれている状況を確認し、問題をどう改善したいのか、どのようにセッションを進めていくのか、などをじっくり話してこそ、効果的なセッションにつなげることができるのです。

そのためには3時間程度のセッション時間はかかります。

話もそこそこでセッションに入ったり、クライアントさんが抱える問題への理解が浅いまま進めていかれても、大きな効果は望めません。

しっかりカウンセリングをしてくれそうか、セッションの流れはどうなっているのかを事前にチェックすることが大切です。

2)知識や技術を持っているセラピストか

ヒプノセラピストは資格がなくても開業できますし、わずか数日程度の勉強をしただけで開業している例もあります。

また、資格を持っているから大丈夫とも限りませんので注意が必要です。米国の有名な団体であっても2日間講座に参加しただけで取れてしまう資格や、暗示療法など一部の内容だけ教えている場合もあります。

ホームページなどを参考にして、書いてある内容が理論的にもしっかりとしているか、どの程度学んでいる人か、人となりが信頼できそうか、などをチェックしましょう。

3)セラピストの価値観を押し付けない

ヒプノセラピーはクライアントさんご自身の中に答えがあると確信して、その答えを引き出していく心理療法です。ご自身が答えを出すから、腑に落ちて、癒されていくのです。

セラピストの主観的な意見で説教されたり、セラピストの価値観でアドバイスされそうであれば注意が必要です。

4)その他のチェックポイント

・セッションルームが独立し、落ち着ける雰囲気か
・料金や回数が明確になっているか
・「治療」「治します」といったセラピーの領域を逸脱した行為や表現をしていないか
・権威的な態度や威圧的な雰囲気を感じないか

いずれにしろ、あなたが納得できるセラピストを探し出すという姿勢を持っていれば、危ないセラピーを避けることができるはずです。

ホリスティックアイでは、十分に勉強と実践を重ね、豊富な知識と経験をもとにした確かな催眠技法をもったセラピストだけが所属しています。そして心から寄り添う愛の気持ちをもって向き合う安全、安心なヒプノセラピーをご提供しています。

目次